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垂直搬送機は点検の義務がある?法律の観点から説明します!

2021年12月20日

「垂直搬送機の導入を検討しているが、メンテナンスの義務があるのか知りたい」
このようにお考えの方は多くいらっしゃるでしょう。
実は垂直搬送機には法的なメンテナンスの義務がありません。
知らなかった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、垂直搬送機の点検について法律の観点から説明します。

 

□垂直搬送機にはメンテナンスの義務がない?

ここでは垂直搬送機とは何かについて法律の観点から詳しく説明したいと思います。
法律と聞くとややこしい話になるのではないかと思う方も多いかもしれませんが、できる限り噛み砕いてお話ししますので、ご安心ください。

まず垂直搬送機とは何かについて説明したいと思います。
垂直搬送機とは、荷物を目的の場所まで移動させるための輸送設備です。
移動の方向として垂直のみとなっています。

また、荷物を荷台に乗せたり、出したりする際にはコンベヤ・トレーを使用します。
そのため、人が垂直搬送機に荷物を入れたり出したりすることはありません。
さらに、こちらは荷物専用の機械となっていますので、人が乗ることはできないという点には注意してください。

用途としては、以下が挙げられます。
・工場
・倉庫
・物流センター

次は、昇降機との違いについて説明します。
なぜ昇降機の話をするのかというと、昇降機には建築基準法で定められている確認申請や定期検査が必要だからです。
結論から申し上げると垂直搬送機は、昇降機には該当しないので確認申請や定期検査が必要ありません。

では、詳しい中身についてみていきましょう。
建築基準法によると、昇降機のことを、一定の昇降路、経路、その他これに類する部分を介して同色を用いて人または物を建築物のある階から別の回へと移動させる設備と定めています。
これだけを聞くと垂直搬送機も該当するのではと思う方もいらっしゃるでしょう。
しかし、以下の3つの施設は例外として認められています。

1つ目は、工場や作業場において人が介入しない形で荷物の搬送設備として使用され、人が乗り込んで使用する可能性がない構造のものです。
2つ目は、機械式駐車場です。
3つ目は、舞台装置であるせり上がり装置です。

垂直搬送機は1番目の例に当てはまるので、昇降機としては見なされないということになります。
より詳しい条件について知りたい場合は、法律を調べてみてくださいね。

 

□メンテナンスを怠った場合のデメリットとは

ここまでは垂直搬送機とは何か、メンテナンスや定期点検の必要性がないことを紹介しました。
では、メンテナンスの必要性がないからといってメンテナンスをしなくても良いのでしょうか。
ここからはメンテナンスを怠った場合のデメリットを紹介します。

1つ目は、生産性が低下することです。
機械は、使用していればどうしても劣化をします。
そして劣化が起きてしまうと性能が低下しますよね。

性能が低下してしまうと、新品と同じ稼働率を発揮することができないでしょう。
具体例としては、荷物の移動に時間がかかったり、稼働までに時間がかかったりする可能性があります。
もし垂直搬送機を使用する頻度が高い場合は、作業全体の効率を大幅に低下させてしまうかもしれません。

2つ目は、想定よりも早く故障するかもしれないことです。
メンテナンスを怠ってしまうと、耐用年数よりも短い寿命を迎えてしまう可能性が高くなります。
一度故障してしまうと、修理するか買い替えるかしないと作業を再開することはできませんよね。

メンテナンスには費用や時間がかかります。
しかし、修理したり買い替えたりするよりはコストを抑えられますよね。
また、そうした修理や買い替えの間は機械を稼働させられないので、必然的に作業効率は低下しますよね。
日々のメンテナンスによってこうした損害を最小限に抑えられます。

3つ目は、事故につながる可能性があることです。
もし機械が稼働できなくなってしまうと、他の機械や設備を巻き込んで大きな事故が起きてしまうかもしれません。
最悪の場合は人を巻き込んだ事故になりうる可能性もあります。

大事故が発生してしまうと、損害賠償が発生したり慰謝料を支払ったりする必要が出てくるでしょう。
メンテナンスにかかる費用の数倍以上の費用が必要になるかもしれません。

4つ目は、会社の信用が低下することです。
メンテナンスによって事故が発生したり、関係省庁の視察でメンテナンス不足を指摘されたりすると、管理責任者である会社の信用を損なってしまうでしょう。
失った信用を取り戻すのは非常に大変ですよね。
信用はお金には変えられないので、メンテナンスをすることをおすすめします。

 

□まとめ

今回は、垂直搬送機の点検について法律の観点から紹介しました。
法律の観点からみた垂直搬送機の扱い、メンテナンスや点検の義務があるのかについてご理解いただけたでしょうか。
メンテナンスを怠ってしまうとさまざまなデメリットが発生してしまうので、日々のメンテナンスは怠らないようにしましょう。

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