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チェーンブロックの使い方を解説!用途別に適切な選び方・資格の必要性とは?

2024年10月28日

建設現場や工場などで重量物を扱う作業に従事している方、またはこれから従事しようと考えている方は、チェーンブロックの使い方について詳しく知りたいのではないでしょうか。
チェーンブロックは、滑車とテコの原理を利用して、鎖で重たいものを上げたり下げたりできる道具です。
安全に効率的に作業を行うためには、チェーンブロックの選び方や使い方、資格の必要性などを理解しておく必要があります。
この記事では、チェーンブロックの基礎知識から選び方、資格情報まで、網羅的な情報を提供することで、読者が安全に効率的に作業を行うための知識・技術を習得し、現場での作業効率向上や安全確保に役立てられるようにします。

□チェーンブロックとは?用途と種類を解説

チェーンブロックは、建設現場や工場など、様々な場所で重量物を吊り上げるために使用されています。
その用途は幅広く、例えば、

・クレーン設備のある工場内で製品・半製品・部品などの重量物を吊り上げて移動する
・建築現場などで鉄骨やボードなどの重量物を高所へ揚重(引き上げ)する
・工事中に重量物が垂れ下がらないように吊って支える
・機械や資材などの重量物を高所へ搬入するために吊るす

などがあります。

また、チェーンブロックは、荷重能力や操作方法によって大きく3つの種類に分けられます。

1. 手動式チェーンブロック
2. 電動式チェーンブロック
3. エアー式チェーンブロック

それぞれの特徴と用途について詳しく見ていきましょう。

1: 手動式チェーンブロック

手動式チェーンブロックは、人力でチェーンを引っ張って重量物を吊り上げるタイプです。
構造がシンプルで、操作が容易なため、小規模な作業や持ち運びが必要な現場でよく使われています。

構造: 鎖歯車、滑車、ウォーム歯車、鎖、フックなどを組み合わせて構成されています。
操作方法: 操作用チェーンを手で引っ張ることで、重量物を巻き上げたり下げたりします。
メリット: 構造がシンプルで、操作が容易。持ち運びがしやすい。
デメリット: 人力での操作が必要となるため、重いものを吊り上げるには労力が必要。

2: 電動式チェーンブロック

電動式チェーンブロックは、電動モーターでチェーンを巻き上げるタイプです。
手動式に比べて、重いものを簡単に吊り上げることができるため、大規模な作業や高所での作業に適しています。

構造: モーター、減速機、チェーン、フックなどを組み合わせて構成されています。
操作方法: リモコンやスイッチで操作を行います。
メリット: 重いものを簡単に吊り上げることができる。作業効率が高い。
デメリット: 手動式に比べて、価格が高い。電源が必要。

3: エアー式チェーンブロック

エアー式チェーンブロックは、圧縮空気の力でチェーンを巻き上げるタイプです。
電気を使用しないため、火気厳禁の場所や爆発の危険がある場所でも使用できます。
また、モーターの焼損がないため、耐久性が高いというメリットがあります。

構造: エアモーター、減速機、チェーン、フックなどを組み合わせて構成されています。
操作方法: エアーホースを使って、圧縮空気を供給して操作を行います。
メリット: 電気を使用しないため、火気厳禁の場所でも使用できる。耐久性が高い。
デメリット: 圧縮空気の供給源が必要。手動式や電動式に比べて、価格が高い。

□チェーンブロックの選び方

チェーンブロックを選ぶ際には、用途や作業内容に合わせて、適切なものを選ぶ必要があります。
様々な要素を考慮し、最適なチェーンブロックを選定することで、作業効率を向上させ、安全性を確保できます。

1: 荷重能力

チェーンブロックの荷重能力は、吊り上げることができる重量のことです。
作業内容に合わせて、必要な荷重能力のチェーンブロックを選びましょう。
余裕を持った荷重能力のものを選ぶことが、安全に作業を行う上で重要です。

2: 揚程

揚程は、チェーンブロックが吊り上げることができる高さのことです。
作業場所の高さや吊り上げる物の大きさなどを考慮して、適切な揚程のチェーンブロックを選びましょう。

3: 操作方法

操作方法は、手動式、電動式、エアー式の3種類があります。
作業内容や現場の状況に合わせて、適切な操作方法のチェーンブロックを選びましょう。

4: 電源

電動式チェーンブロックは、電源が必要です。
電源の確保が難しい場合は、手動式またはエアー式を選びましょう。

□チェーンブロックで作業するには資格が必要?

チェーンブロックで作業を行う際に、資格が必要かどうかは、作業内容によって異なります。
チェーンブロック自体はクレーンではないため、玉掛け技能講習などの受講は必須ではありません。
しかし、安全に作業を行うためには、玉掛けの知識を身につけることが重要です。

*玉掛けの知識

玉掛けとは、重量物をワイヤーロープやチェーンで吊り上げて移動させる作業のことです。
玉掛けの知識があれば、チェーンブロックを使った作業を安全に行うことができます。

吊り上げ荷重が1t未満の場合: 「玉掛け特別教育」が必要となります。
吊り上げ荷重が1t以上の場合は: 「玉掛け技能講習」が必要となります。

*玉掛け資格取得のメリット

玉掛け資格は、国家資格であり、取得することで幅広い現場で活躍できるようになり、給与に反映される場合もあります。

・幅広い現場で活躍
チェーンブロックだけでなく、ユニック車や移動式クレーン、床上操作式クレーンなど、様々な現場で活躍することができます。

・給与に反映
玉掛け作業者と呼ばれる1t以上の揚荷装置やクレーンなどを操作できる資格は国家資格なので、給与に反映されるという大きなメリットがあります。

*玉掛け資格取得の費用

玉掛け資格取得の費用は、講習を受ける場所や内容によって異なりますが、一般的には20,000円前後です。

□まとめ

この記事では、チェーンブロックの基礎知識から選び方、資格情報まで、網羅的な情報を提供しました。
チェーンブロックは、建設現場や工場など、様々な場所で重量物を吊り上げるために使用される便利な道具です。
しかし、安全に効率的に作業を行うためには、チェーンブロックの種類や選び方、資格の必要性などを理解しておく必要があります。
この記事の内容を参考に、安全で効率的な作業を実現しましょう。

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