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2026年1月28日

地震や台風、落雷による突発的な停電など、工場のライン停止や安全装置のダウンを防ぐのが「非常用ディーゼル発電機」です。
そんなディーゼル発電機ですが、法令に基づく半年に1回の機器点検や、1年に1回の総合点検を実施しているから「うちは大丈夫」と考えていませんか? 実は、「点検はしているのに、いざ本番で始動しない」「動いたけれど、ものすごい黒煙を吹いて止まった」というトラブルが後を絶ちません。
その最大の原因は、長年続けてきた「無負荷運転」による弊害にあります。 そこで本コラムでは、非常用発電機の寿命を縮める「カーボン堆積」のリスクと、それを解消するための「負荷試験」の重要性について解説します。
多くの現場では、定期点検の際に5分〜10分程度、エンジンをかける確認を行っています。しかし、無負荷運転のみを繰り返すことは、ディーゼルエンジンにとって、逆に負荷がかかることをご存知でしょうか。
ディーゼルエンジンは、適度な負荷をかけて燃焼室の温度を上げないと、燃料が完全に燃え切りません。 無負荷運転ではエンジン温度が上がらないため、燃え残った燃料やススが、シリンダー内部、ピストンリング、排気バルブ、ターボチャージャーなどに蓄積していきます。
この現象を「ウェットスタッキング」と呼びます。 長年、無負荷点検だけを繰り返した発電機は、逆に負荷が蓄積され、いつ壊れてもおかしくない状態になります。
上述したように、エンジン内部にカーボンが堆積した状態で、災害時にいきなり工場の設備を一斉に動かすなどの負荷をかけると、下記のような現象が起こる可能性があります。
堆積していたカーボンが一気に燃え出し、煙突から真っ黒な煙が大量に噴出します。これは単に環境に悪いだけでなく、例えば近隣住民からの通報やクレームに繋がることもあります。
最悪の場合、排気管内に溜まった未燃焼燃料に引火し、排気管から火柱が上がる事故や、バルブが固着してエンジンが破損・停止する事態を招きます。 BCPの観点からも、これは看過できないリスクです。
こうした不具合を防ぐために必須となるのが「負荷試験」です。 消防法においても、不特定多数の人が利用する特定防火対象物などでは、定期的な負荷試験(または内部観察等)が義務付けられています。
専用の擬似負荷装置を発電機に接続し、定格出力の30%以上の負荷をかけて一定時間(30分〜1時間程度)連続運転を行う試験です。
負荷をかけることで排気ガスの温度を上げ、内部に堆積したカーボンを焼き切って排出する効果があるためです。 定期的に負荷試験を行うことで、エンジン本来の性能を取り戻し、「いざという時に確実に動く」状態を維持できます。
※2018年の消防法改正により、「予防的な保全策(消耗品の適切な交換など)」が講じられている場合は、負荷試験の周期を延長できる要件も緩和されましたが、エンジンの健康状態を保つためには、定期的な実負荷運転が技術的に最も有効です。
負荷試験と合わせて注意したいのが、消耗品の管理です。特に「動かない」トラブルの代表例が以下の2点です。
非常用発電機の始動トラブルの約半数はバッテリー上がりと言われます。 「制御盤の充電ランプがついているから大丈夫」は大間違いです。バッテリーは化学反応で電気を蓄えますが、経年劣化で蓄電容量自体が減っていきます。交換目安として、期待寿命品であっても5〜7年での交換が必須です。見た目がきれいでも内部劣化は進んでいます。
非常用発電機の燃料は、何年もタンクに入れっぱなしではありませんか? 燃料は酸化して劣化しますし、タンク内の結露により水分が混入し、バクテリアが繁殖してヘドロ状になることもあります。これらがフィルターを詰まらせ、エンジン停止を引き起こします。したがって、燃料は定期的にサンプリング検査を行うか、可能であれば実働させて消費・補充のサイクルを作ることが理想です。
「屋上に設置されていて負荷試験機を持ち込めない」「予算を抑えたい」という場合は、「内部観察」という手法も有効です。 ファイバースコープ等を使ってシリンダー内部や過給機を点検し、カーボンの堆積状況を診断します。
・負荷試験: カーボンを焼き切って除去する
・内部観察: 現状を確認する
状況に合わせて最適な手法を選ぶ必要がありますが、すでにカーボンが堆積している場合は、負荷試験による除去や、オーバーホールが必要です。
当社では、非常用発電機の設置・更新工事をおこなっております。
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