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2024年10月28日
ホイストクレーンは、工場や倉庫などで重い荷物を持ち上げたり運んだりする際に欠かせない存在です。
種類が多く、用途に応じた最適なものを選ぶことが大切です。
今回は、ホイストクレーンのさまざまな種類について解説します。
どのクレーンが自分の作業現場に最適なのか、ぜひ考えながら読み進めてみてください。
まず、クレーン等安全規則において、クレーンとは「荷を動力を用いてつり上げ、これを水平に運搬することを目的とする機械装置」と定義されています。この定義に基づき、クレーンの構造や機能についいては、下記のように基準が説明されています。
巻上げ装置がチェンブロックのように人力で荷をつり上げる場合、それはクレーンには含まれないとされています。
仮に荷の水平移動が動力で行われたとしても、それはクレーンに該当しません。
しかし、荷を動力でつり上げる場合には、たとえ水平移動が人力であってもクレーンとして分類されます。
このように、クレーンの定義においては、つり上げ動作に動力が用いられることが重要な要素とされています。
また、クレーンに含まれる装置と含まれない装置の違いからクレーンの定義についても説明できます。
まず、巻上げに動力が用いられているが、横行装置がない装置についてはクレーンに含まれないとされます。この装置は、荷を垂直に持ち上げる機能はあるものの、水平移動のための装置が付いていないため、クレーンには該当しません。
続いて、横行装置があるにもかかわらず、巻上げを動力で行わない装置もクレーンに含まれないとされています。この場合、横行装置は存在するものの、チェーンを手動で引くことによって荷を持ち上げるため、クレーンの定義には当てはまらないとされています。
最後に、クレーンとして認められる装置は、横行装置があり、かつ巻上げに動力が用いられるものです。この場合、荷のつり上げと水平移動の両方が動力によって行われるため、クレーンの定義に適合します。
その他に、荷の水平移動の観点からもクレーンの定義について説明できます。
天井クレーンのようにランウェイが設置されている場合は、建物内のどの位置にも荷を移動させることが可能です。また、つり上げ動作を含めた三次元の運動が可能な場合には、クレーンに該当します。
しかし、テルハのようにランウェイに沿った荷の移動しかできない二次元の運動の場合は、クレーンには該当しないと説明されています。
このように、クレーンにおける動力の使用や、移動機能の有無が、その定義を決定する要素でもあります。
ホイストクレーンとは、荷物を持ち上げたり下ろしたり、水平に移動させたりするために設計されたクレーンの一種であり、一般的に工業用途や物流業務において使用される機械装置です。
「ホイスト」とは英語で「巻き上げる」ことを意味し、クレーンにおける巻き上げ機構部分を指します。この機構を利用して、荷物をつり上げ、さらに水平方向に移動させることが可能です。ホイストクレーンは、作業場や工場、倉庫、造船所などで頻繁に使用されており、特に重い物を扱う場合に重宝されます。
ホイストクレーンは、主に次のような場面で使用されます。
部品や材料をライン間で運搬する際に使用され、特に重量物を効率よく持ち上げ、移動させるための装置として重要です。
多くの工場では、天井クレーンや橋形クレーンが広く使われています。
荷物の積み下ろしや保管場所への移動に使用されます。
重い商品や材料を正確な位置に配置するため、ホイストクレーンの利用は欠かせません。
特に橋形クレーンや門形クレーンは、造船所や建設現場で巨大な部材を運搬するために不可欠です。
これらのクレーンは高い荷重能力と広い作業範囲を持ち、大型構造物の組み立てや設置を支援します。
鉱石や金属の原材料を運搬する際にホイストクレーンが使用され、特殊な環境に対応するように設計されたクレーンが必要とされます。
ホイストクレーンは、工業用途において重要な役割を果たす機械装置であり、荷物を効率的に持ち上げ、移動させることができます。
用途に応じた多様なタイプが存在し、天井クレーンや橋形クレーン、ジブクレーンなど、設置環境や作業内容に合わせて選定されます。
その高い効率性と安全性から、ホイストクレーンは現代の製造業、物流、建設業など、さまざまな業界で欠かせない装置となっています。
ホイスト式クレーンは、外観、構造、性能、用途などの違いによっていくつかの種類に分類できます。
一般的には外観の形式に基づいて分類されますが、設置方法や走行方式の違いによってもさらに細かく分けられます。
ここでは、テルハ、天井クレーン、橋形クレーン、ジブクレーンの4つの主要な種類について、それぞれの特徴と用途を詳しく説明します。
テルハは、比較的小規模な移動作業を行う際に使われるクレーンで、「モノレール形」と「ダブルレール形」があります。テルハの特徴は、下記のような手動や電動による走行方法が選べる点です。
・手押し走行: 作業員が手で押して操作するタイプ。軽量な荷物の移動に適しています。
・鎖動走行: 鎖を使って操作する方式で、手動よりも力をかけやすいです。
・電動走行: 電力を使って荷物を移動させるため、大きな荷物の運搬に向いています。
このように、テルハは簡易的な作業環境で柔軟に使用できるのが特徴です。
天井クレーンは、工場や倉庫などの大型施設で使用されることが多いクレーンです。天井に設置され、広範囲で荷物を移動させることができます。天井クレーンは下記のような「トップランニング形」と「サスペンション形」があります。
・トップランニング形: クレーンが上部に設置され、重い荷物を高い位置で運搬します。
・サスペンション形: 下部に取り付けられ、やや軽量な荷物を移動するのに適しています。
天井クレーンの走行方法は主に手動と電動があり、作業内容に応じて選ばれます。モノレール形とダブルレール形の両方のタイプがあり、広い範囲での作業が可能です。
橋形クレーンおよび片脚橋形クレーン(門形クレーン)は、大規模な荷物の運搬に適したクレーンです。橋のような形をしており、荷物を広範囲で移動させることができます。モノレール形やダブルレール形があり、荷物を効率的に運搬できます。
・モノレール形:1本の走行レール上をクレーンが移動するタイプで、小規模から中規模の荷物の搬送に向いています。設置スペースや建屋構造に制約がある場合でも対応しやすく、比較的コストを抑えて導入できる点が特徴です。また、建屋の柱や床への負荷が小さいため、既存の施設内にも柔軟に設置可能です。ただし、荷重や作業範囲には限界があるため、大型荷物や長距離移動が必要な場合には注意が必要です。
・ダブルレール形:両端が2本のレールに支持されるタイプで、橋桁全体の安定性が高く、より大きな荷重に対応できます。大規模工場や重工業向けのラインで使用されることが一般的です。レールが2本あることでクレーンの揺れが抑えられ、長尺物や重量物の安全な搬送が可能です。設置にはある程度のスペースとコストが必要ですが、安全性と作業効率の両立が求められる現場では非常に有効な構造です。
橋形クレーンは大規模な施設や工場での使用が一般的で、大きな荷物を安定して移動させることができます。
ジブクレーンは、柱や壁に取り付けられた小型のクレーンで、狭いスペースでの荷物の持ち上げや移動に適しています。ジブクレーンには「柱形」「壁取付け形」「走行壁形」があります。
・柱形ジブクレーン:床に柱を据え置いて設置するタイプのジブクレーンです。柱を中心に水平ジブが旋回することで、周囲の作業エリアに荷物を移動できます。設置場所の自由度が高く、中型荷物の吊り上げや工場内の組立ラインなど、幅広い作業に適しています。床にしっかり固定するため安定性も高く、荷重に対する安全性が確保しやすいのも特徴です。
・壁取付け形:建物の壁にブラケットや柱を取り付けて設置するタイプです。床面を占有せずに設置できるため、作業スペースが限られた場所でも活用できます。水平ジブは壁を支点に旋回し、通路や狭小スペースでの作業に向いています。柱形に比べて設置コストやスペースの負担が少ない点もメリットです。
・走行壁形:壁に沿ってジブクレーン自体が走行できるタイプです。壁を支持として水平ジブが旋回し、さらにジブごと長手方向に移動できるため、広い範囲で荷物を効率的に移動できます。固定型では届かない作業範囲をカバーできるため、長尺部材の吊り上げや工場ライン全体での作業に適しています。
ジブクレーンは、特に狭い作業スペースや限られたエリアでの使用に適しており、機動性が高いのが特徴です。
このように、ホイスト式クレーンは用途や設置環境によってさまざまな種類があります。
それぞれのクレーンは、特定の作業環境や荷物のサイズ、重さに応じて最適なものを選択することが重要です。
ホイストクレーンには多くの種類があり、それぞれが異なる作業に対応できるよう設計されています。
この記事を通して、ホイストクレーンの種類や特徴について理解が深まったのではないでしょうか。
正しいクレーンを選ぶことで、作業効率や安全性が大きく向上します。
ぜひ、これを機に自分の作業現場にぴったりのホイストクレーンを見つけて、業務のスムーズな進行を目指しましょう。
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