お問い合わせ

お役立ち情報

コンプレッサーの寿命はどれくらい?保全で延ばすポイントも解説

2025年10月28日

工場の設備保全・メンテナンスにおいて、空圧(まさにコンプレッサー)は多くの製造ラインで動力源の一つとして欠かせない存在です。つまり、コンプレッサーの停止や故障は生産停止や品質低下、さらにはトラブルによるコスト増につながり得ます。

そのため「このコンプレッサー、あと何年使えるのか」「どうすれば寿命を延ばせるのか」という点は、保全・生産技術担当者にとって非常に重要です。そこで本記事では、コンプレッサーの寿命及び寿命に影響を与える要因、さらに長く使用していただくための保全・メンテナンスのポイントまで、実務視点で整理します。

コンプレッサーの寿命はどれくらい?

工場で用いられる産業用コンプレッサーの寿命は機種・種類・使用条件によって大きく変わりますが、一般に平均寿命は10~15年程度」になります。適切に保守を行えば、約10~15年以上使われることもありますが、一方で負荷が高く・環境が厳しい条件では6年程度といったこともあります。

このように「10年前後から15年程度」が一つの目安と言え、適切な保全を行うことでさらに長寿命化が可能です。

 

寿命が機種・種類によってどれくらい変わるか

コンプレッサーにも「往復動型/レシプロ型」、ロータリースクリュー型、遠心型などの種類があり、それぞれに寿命差があります。例えば:

  • レシプロ型(往復動):比較的寿命が短めで約50,000時間程度が一つの目安です。
  • ロータリースクリュー型:100,000時間以上持つ機種もあります。
  • 遠心型コンプレッサー:250,000時間以上持つ機種もあります。

ただしこれらは「理想的なメンテナンス・運用条件下」での数値であり、またメーカー・機種によっても異なります。実際の現場環境・負荷・保守によって大きく変わります。

 

寿命を左右する主な要因

下記のような複数の要因が、実際の寿命を短くしたり、逆に長く維持したりする鍵となります。

  • 運転時間・負荷レベル:連続運転や高負荷運転を行っていると摩耗・疲労が早まります。
  • 保守・点検の実施状況:油量・フィルター・圧力計・振動などを適切に管理しているかどうかが寿命に直結します。
  • 設置環境・外部条件:湿気・高温・粉塵・腐食性ガスなどの影響を受ける環境では、通常より早く劣化します。
  • 機器選定・仕様適合性:過負荷運転・容量ミスマッチ・頻繁なスタート・ストップなどが寿命を縮める原因となります。

このように、「何年使えるか」という点は「機種+運用条件+保守体制」によって大きく左右されるということをご理解ください。

 

コンプレッサーの寿命を伸ばす保全のポイント

上述の通り、コンプレッサーの寿命は「機種+運用条件+保守体制」によって異なります。そのため、運用・保守の方法によって、実際にどこまで使用できるかが変わってきます。下記に、注意して保守・メンテナンスを行います。

ポイント1:日常点検・ルーティン清掃・油量チェック

  • 毎日の運転前/運転後に油量や異音・振動・エア漏れなどを確認しましょう。
  • フィルターやエアクリーナーは汚れが溜まると負荷が増大し、故障率を高めます。
  • 油の状態(変色・異臭・泡立ち)も寿命予兆の一つです。適切な交換時期に留意してください。

 

ポイント2:定期メンテナンス・定期的な部品交換

  • 機種にもよりますが、一般的に6か月毎、1,000時間毎、変速運転条件下ではもっと短期間でのメンテナンスが推奨されています。
  • 安定運用には「ルブリケーション油交換」「フィルター交換」「ベルト・ホース・接続部締め付け確認」「振動・騒音測定」などを含めることが効果的です。
  • また、予防保全として「オイル分析」「振動解析」「定期的なエンド‐エンド点検」も寿命延長に寄与します。

ポイント3:運用環境の整備・仕様の見直し

  • 温度・湿度・粉塵などの環境条件を改善することで、コンプレッサーにかかる負担を軽減できます。例えば、設置室の換気・湿度管理・定期清掃などが当てはまります。
  • 過負荷や頻繁なインターミッテント運転(起動・停止)を避けるため、用途・容量を見直すことも重要です。
  • 古い機種の場合は、省エネ型・高効率型のコンプレッサーに更新検討することで、結果的に長期的なコスト削減につながります。

ポイント4:トラブルが起こる前に適切なタイミングので更新を行う

  • 「頻繁なトラブル発生」「修理サイクルの短縮」「エネルギー効率の低下」「異音・振動の増加」などが、寿命末期のサインです。
  • 一般的には10年超あるいは機器稼働時間100,000時間超を一つの検討タイミングとします。

この点をふまえ、保全計画上「更新」も視野に入れておくことが、長期的な安定稼働・コスト低減につながります。

 

まとめ

製造現場のコンプレッサー保全・更新は、機器選定・日常管理・定期メンテナンス・運用環境整備・更新時期判断と、幅広い知見を必要とします。

「コンプレッサーの調子が最近悪い」「いつ更新すべきか迷っている」「保全・保守を体系的に進めたい」と感じられたら、ぜひお気軽に当社までご相談ください。

>>コンプレッサーの修理・メンテナンスサ-ビスはこちら

>>お問い合わせはこちら

関連記事

2024/10/28

【東京・神奈川のベルトコンベア工事対応!】コンベア用のモーターを選び方やモーターの重要性をご紹介!

コンベアは、製造現場や物流業界で多く使用されており、効率的な搬送を実現するためには適切なモーターの選定が不可欠です。本記事では、コンベア用のモーターの基本的な役割と選び方のポイントを解説します。 ...

詳しく見る »

2025/07/30

コンプレッサーの熱対策のご紹介

コンプレッサーは、エアツールや設備の駆動源として必要不可欠です。その安定稼働を阻害する原因の一つが「熱」です。とくに、夏場や密閉されたコンプレッサールームでは、周囲温度が高くなるため、熱によるトラブル...

詳しく見る »

2024/10/28

チェーンブロックの選び方と使い方を解説!種類や資格・使用上の禁止事項とは?

工事現場やDIYで重たいものを持ち上げる際に活躍する「チェーンブロック」。 その選び方や使い方、そして安全に作業を行うための知識について解説します。 この記事を読めば、チェーンブロックの種類、用途...

詳しく見る »