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クレーンが動かなくなる主な原因とは?

2025年12月19日

工場の生産ラインを支える「天井クレーン」は、重量物の搬送に欠かせない重要な設備です。しかし、ある日突然クレーンが動かなくなれば、生産ラインの停止、納期遅延などの問題に直面します。

そこで本記事では、クレーンが動かなくなる主な原因とその対策、さらには未然に防ぐための保全・メンテナンスについて詳しく解説します。

 

クレーンが動かなくなる主な原因とは?

クレーンが動かなくなる原因は、大きく分けて「電気系統」「機械系統」「操作・安全装置」の3つに分類されます。現場でトラブルが発生した際、どこに原因があるかを切り分けるためのチェックポイントをお伝えいたします。

① 電気系統のトラブル(最も多い原因)

クレーンの故障で最も頻度が高いのが電気系の不具合です。

  • 給電線の接触不良・断線:
    トロリー線(給電線)と集電子(コレクタ)の接触不良により、電気が供給されなくなるケースです。工場の粉塵やサビが原因で接触が阻害されたり、集電子のカーボンブラシが摩耗して限界を超えたりすることで発生します。
  • 電磁接触器(マグネットスイッチ)の焼損:
    モーターの起動・停止を制御するマグネットスイッチの接点が火花によって荒れ、最後には溶着したり通電しなくなったりします。
  • ケーブルの断線(カーテン給電):
    クレーンの走行・横行に伴って伸縮するケーブルが、長年の屈曲によって内部断線するケースです。外見では分かりにくいため、テスターによる導通確認が必要になります。

② 機械系統のトラブル

物理的な破損や摩耗が原因となるケースです。

  • ブレーキの固着・開放不良:
    ブレーキライニングの摩耗や、ブレーキコイルの焼損により、ブレーキが解除されずにモーターが回らなくなる状態です。「唸り音はするが動かない」という場合は、ブレーキを疑う必要があります。
  • ワイヤーロープの乱巻き・噛み込み:
    ドラムへのワイヤー巻き取りが乱れ、隙間に噛み込んでしまうと、物理的に昇降ができなくなります。
  • モーターの焼損:
    過負荷(オーバーロード)状態での継続使用や、ベアリングの固着によりモーター内部が異常発熱し、絶縁破壊を起こして故障します。

③ 操作系・安全装置のトラブル

故障ではなく、安全機能が働いている場合もあります。

  • リミットスイッチの作動:
    巻き上げ過ぎや走行行き過ぎを防止するリミットスイッチが作動し、回路を遮断しているケースです。
  • 非常停止ボタンの押し込み:
    意外と多いのが、意図せず非常停止ボタンが押されたままになっているケースです。

無線操作機(テレコン)の不具合:
電池切れ、アンテナの破損、周囲の電波干渉により、信号が本体に届いていない場合があります。

クレーンを止めないための対策:保全と修理

クレーンのトラブルをゼロにすることは難しくても、適切な対策によって「突発的な停止」を劇的に減らすことは可能です。

① まずは予防保全(メンテナンス)を徹底する

クレーンには法令で定められた点検義務があります。これらを単なる「義務」としてこなすのではなく、「予防保全」の機会として活用することが重要です。

>>クレーンの点検に関してはこちら

また、消耗品(カーボンブラシ、電磁接触器の接点、ワイヤーロープ)については、「壊れる前に交換する」基準を社内で設けることを推奨します。例えば、カーボンブラシが規定の長さの70%まで摩耗したら交換すると決めておくだけで、給電トラブルの多くは防げます。

② 故障後の迅速な修理対応

万が一故障が発生した際、早期復旧させるためのポイントは以下の通りです。

  1. エラー状況の正確な把握: 「いつ、どの動作(巻上・走行など)で、どのような音や匂いがしたか」をオペレーターからヒアリングします。
  2. 予備品の常備: 使用頻度の高いマグネットスイッチやヒューズ、カーボンブラシなどは、社内に予備をストックしておくことで、修理業者を待たずに復旧できる場合があります。
  3. 専門業者との連携: 複雑な制御基板や構造部の損傷は、無理に自社で直そうとせず、信頼できる専門業者へ即座に連絡しましょう。二次故障を防ぐことにも繋がります。

③ 環境改善による対策

クレーンが設置されている環境そのものを見直すことも有効です。

  • 防塵対策: 粉塵が多い工場では、電気部品にカバーを設置したり、集電子を密閉型に変更したりすることで、接触不良を低減できます。
  • 無線化の検討: ペンダントスイッチ(有線)のケーブル断線が多い場合、無線操作(テレコン)へ更新することで、物理的な断線リスクを排除できます。

クレーン・チェーンブロックの修理メンテナンスは当社にお任せください!

当社では、クレーン・チェーンブロックの新設・更新・定期点検サービスを展開しています。今回ご紹介した、故障の前兆がありましたら、お気軽に当社にご連絡ください。

特に南関東エリアであれば、専門スタッフが迅速に対応いたします。

>>クレーン・チェーンブロックの新設・更新・定期点検サービスはこちら

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