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パレットラックの耐震補強について解説します!

2022年8月18日

パレットラックに耐震補強は施していますか。
日本は地震大国であり、耐震補強の重要性は非常に高いといえるでしょう。
そこで今回の記事では、地震発生時におこるパレットラックに関する問題と、その対策方法をご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

 

パレットラックとは?

パレットラックとは、端的に言うと保管設備の一種です。
一段あたり1トからン3トン(1000キログラムから3000キログラム)の積載が可能で、物流倉庫などにおいてもっとも使用されることの多い保管設備です。
主に、名前の通りパレットの積載を目的としており、オプションとして、パレット積み以外での収納も可能となっています。

パレットラックは受注に応じて生産されることが多いです。
そのため、用途に合わせたサイズで作られるのが一般的です。

 

地震発生時に起こるパレットラックの問題とは?

「地震で倒壊しそう」
パレットラックに対して抱く懸念としては、以上のことが挙げられます。
しかし、実際に倒壊が発生してしまうことは、実はあまり多くありません。
法令や規則に準拠して作られたものであれば、ラックやラックビル保管倉庫の構造体への被害報告は、たとえ大きな地震であってもほとんど見られません

では、どのようなときに被害が確認されるのでしょうか。
一般的には、地震が収まった後、以下のような問題が発生しています。

・棚から格納物やパレットが落下し、保管物が損傷する
・落下した格納物やパレットによって、保管設備に損傷が発生する
・棚の高所で荷崩れして不安定となった荷物を取り除くのが難しい
・落下により倉庫内に散乱した荷物の回収と清掃が難しい
・以上の作業を行うことによる、通常業務の遅れ

そして、これら問題を解決するために、以下の3つのことが重要とされています。

・ラックの揺れの最小化
・パレット上の荷崩れ対策
・棚からのパレット落下対策

 

パレットラックに耐震補強を施しましょう!

パレットラックに施せる耐震補強は、大きく分けて3つに分類されます。

・施工による固定
・簡易設置タイプの固定
・落下防止対策

順に解説していきます。

 

施工による固定

まずご紹介するのが「床アンカー施工」です。
使用条件として、ラックの設置場所の床材がコンクリートであることが必須です。
コンクリート床であれば、ラックを床に固定できます。

多くの場合、打ち込み式や締め付け式といった方法による固定が行われています。
以上の施工を行うことで、ラック自体の揺れを小さくできるでしょう。

ただし、1点注意事項があります。
それは、建物の床にどうしても穴が開いてしまうことです。
設置場所に合わせて、この施工の導入を検討しましょう。

アンカー施工の順序は、以下の通りです。

1:所定の大きさ・深さの穴をあける
2:ダストポンプ等で孔内の切粉除去
3:本体にナット・ワッシャーをセットし、下穴に挿入
4:スパナ類を用い、ナットの締め付けを確認

次にご紹介するのは、「壁固定」です。
これは、ラックの上部を壁に固定することで、ラックの転倒抑制を狙った施工です。

ただし、床アンカー施工の条件が床材がコンクリートであることだったように、壁材によっては効果があまり出ない場合があります。
例えば、縦茶の鉄骨に固定してしまうと、建屋全体の構造に影響が出る場合もあります。

 

簡易設置タイプ

まず紹介するのが「点つなぎ」です。
これは、2台の棚の端点どうしをアングルで取り付け固定する施工です。
棚同士で支えあうような形になります。
ただし、同じ形状の棚が向き合って存在することが条件となるでしょう。
導入したい場合は、ラックの組み立て時に行うとよいでしょう。

続いて紹介するのが「背つなぎ」です。
これは、つなぎ用ボルトを使用した施工方法です。
これも点つなぎと同様、組み立て施工時に導入するのがおすすめです。

 

落下防止対策

まずご紹介するのが「タナガード」です。
これは、棚から物が落下することを防ぐのを目的とした、固定ベルトです。
カットして使用することも可能であり、様々な大きさの棚に対応できる優れたアイテムです。

続いてご紹介するのが、「落下防止用フラットバー」です。
これは名前通り、落下防止を目的とした、ボルト固定式のフラットバーです。
これは、簡単に取り付けられるため、非常に人気の対策法でもあります。

最後に紹介するのが、「背面・側面金網」です。
これも名前通り、物の落下を防ぐことを目的とした金網です。
金網であるため、中に収納しているものに対する可視性があります。
そのため、金網ではなくパネルが用いられることもあります。

 

まとめ

今回の記事では、パレットラックの耐震補強について解説しました。
日本は地震大国であり、それに対する対策は非常に大切です。
地震対策する際は、「物の落下を防ぐ」、「ラックの倒壊を防ぐ」の2点をまず意識し、可能であれば「荷崩れ防止」も行いましょう。
今回の記事が、皆様の参考になれば幸いです。

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