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2023年5月10日
圧縮空気の力で、金属加工の工場から建築現場までさまざまな仕事を手助けするコンプレッサー。
しかし、夏場はコンプレッサーがオーバーヒートにより停止してしまう事例がよく発生します。
そこで今回は、オーバーヒートの対策をご紹介します。
これから暑くなる時期にコンプレッサーを停止させないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
コンプレッサーを使用するときにコンプレッサーにかかる負担は、夏と冬を比較すると圧倒的に夏の方が多い傾向にあります。
理由は、冬より夏の方が湿度が高いからです。
コンプレッサーで作られる圧縮空気には大気中の空気を使います。
しかし、夏場は大気中の水分が多いため、多めに空気を取り込まなければ圧縮空気を作れないのです。
同じ量の圧縮空気を作ろうとしても、場合によっては倍の空気を必要とすることもあります。
そのため、大きな負荷がかかってしまい、オーバーヒートによる停止の原因になります。
また、夏場ということもあり、外気温も当然コンプレッサーの状態に関係します。
コンプレッサーが止まりやすくなる温度は、40度です。
特に、工場内は熱や湿気がこもりやすく、湿度と温度が同時に要因となって停止してしまうケースが多く見られます。
夏場にコンプレッサーを使用する時は、普段から管理に気を付けるだけでトラブルのリスクを一気に下げられます。
コンプレッサーを取り扱う上で気を付けておくべきことを見ていきましょう。
湿気・熱気を常に外に飛ばしている状況でないと、コンプレッサーの許容湿度・温度を超えてしまい、コンプレッサーに強い負担がかかります。
またコンプレッサーは稼働中、消費電力の90%以上の熱を放出します。
稼働中はコンプレッサーの周囲の温度・湿度を下げるために、換気を徹底してください。
夏場、特に梅雨や台風の時期には、屋外に設置しているコンプレッサーに雨をしのぐカバーをかけておきましょう。
内部に雨が侵入すると、電装部分が水分によるダメージを受け、故障してしまう原因になります。
外でも使えるように雨対策が施されているコンプレッサーならそのままでも対策できますが、一般的な屋内使用のコンプレッサーを外に置いている場合は特に注意が必要です。
工場で発生した鉄粉や研磨粉、またそれらから発生するほこりなどが吸引フィルターに詰まっていませんか。
フィルターが目詰まりすると性能低下や、最悪故障の原因にもなり得ます。
あらかじめほこりや湿気が比較的たまらない場所に設置するよう気を付けてみてください。
コンプレッサーを正常に使える温度は2度から40度です。
2度を下回ると、圧縮空気から発生した水分が凍結します。
40度以上になった場合は、熱によって機械本体も正常に作動しなくなり、グリスをはじめとした部分劣化も早まります。
温度が低すぎる、または高すぎる環境が続くと耐用年数を待たずに故障する原因になるので、常に温度管理を心掛けておきましょう。
故障や不具合を見つけられるのは、ほとんどが点検のときです。
使用の際にも、定期的に点検を行いましょう。
点検する箇所はオイル量、フィルターのごみの量、ドレンです。
ドレンは、作業でコンプレッサーを使い終わったら全部出し切っておきます。
日常的な点検で足りない部分は、定期的にコンプレッサーの点検を実施している専門の会社に点検を依頼するのもおすすめです。
本格的にコンプレッサーが動かなくなる前に、原因を突き止めて対策しましょう。
コンプレッサーの設置場所としておすすめなのが屋外です。
もちろん先述のように雨避け対策は必須ですが、屋外に設置することにはそれ以上のメリットがあります。
屋外にコンプレッサーを設置する主なメリットは以下の通りです。
1.コンプレッサー本来の性能を発揮できる
屋外は工場内よりほこりが少なく涼しいため、フィルターの目詰まりやオーバーヒートを起こしにくい環境です。
また湿度が比較的低いので、空気を取り込む効率が上がり、圧縮空気を低負担で作れます。
2.設置コストを削減できる
換気扇やダクト、コンプレッサー室の設置が不要になるので、コンプレッサーの設置にかかるコストを大幅に削減できます。
スペースがあれば簡単に増設できるのも、嬉しいポイントです。
3.工場内環境にも優しい
工場内でコンプレッサーを使う場合は、コンプレッサーが排熱した空気を外に追い出すための設備も必要です。
その上、工場内の温度がコンプレッサーの影響で上がるため、コンプレッサーは熱中症の直接の原因にもなり得ます。
また、コンプレッサーを外に設置することで、音が気にならなくなったとおっしゃる方もいらっしゃいます。
特に湿度も温度も高い夏場は、コンプレッサーを正常に作動するためにも屋外に設置するのがおすすめです。
コンプレッサーの設置位置を屋内にするか屋外にするか、迷った場合はぜひ上記を参考になさってください。
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