お問い合わせ

お役立ち情報

油圧シリンダーから油漏れ!パッキン交換だけで直る?修理と新品交換の判断基準

2026年1月28日

工場のプレス機、昇降リフト、射出成形機など、あらゆる設備の動力源として活躍する「油圧シリンダー」。 工場内で最も多いトラブルの一つが、このシリンダーからの「油漏れ」です。

「床に油だまりができている」「最近、機械の動きが遅い気がする」 そんな時、保全担当者様が一番悩むのが、「パッキンを交換すれば直るのか、それともシリンダーごと買い替えるべきなのか?」という判断ではないでしょうか。

今回は、油圧シリンダーの油漏れの原因を見極め、コストパフォーマンス良く設備を復旧させるための判断基準について、工場工事のプロが解説します。

【目次】

油漏れの原因の9割は「パッキン(シール)」の劣化

「パッキン交換」だけでは直らない危険なケース

【判断基準】修理(OH)か?新品交換か?

まとめ

油漏れの原因の9割は「パッキン(シール)」の劣化

結論から申し上げますと、油漏れの原因のほとんどは、内部のパッキン(シール類)の経年劣化です。

油圧シリンダー内部には、油を閉じ込めて圧力を保つために、ゴムや樹脂製のパッキンが複数使用されています。これらは消耗品であり、使用頻度や環境にもよりますが、一般的に3年〜5年程度で弾力性を失い、硬化・摩耗して油を止められなくなります。

基本的な対処法:オーバーホール(パッキン交換)

金属部分に損傷がなければ、シリンダーを分解し、すべてのパッキン類を新品に交換する「オーバーホール」で機能は完全に回復します。新品を購入するよりもコストを大幅に抑えられるため、まずはこれを検討するのが基本です。

「パッキン交換」だけでは直らない危険なケース

しかし、中には「パッキンを新品に交換したのに、1週間もしないうちにまた漏れてきた」というケースがあります。これは、パッキン以外の金属部分にダメージがある場合です。

以下の症状がある場合は、単純なパッキン交換だけでは直りません。

1. ロッド(摺動部)に「縦傷」が入っている

シリンダーの伸縮する銀色の棒部分(ピストンロッド)をよく見てください。爪が引っかかるような「縦方向の傷」が入っていませんか? ロッドに傷があると、その傷がヤスリのような役割を果たし、新品のパッキンをすぐに削り取ってしまいます。

  • 対処法: ロッドの再メッキ加工・研磨、またはロッドのみ新規製作が必要です。

2. シリンダーチューブ(筒)の内面摩耗

長年の使用により、シリンダーの筒の内側が摩耗し、樽状に膨らんでしまっているケースです。これではピストンパッキンが密着せず、内部で油が逃げてしまいます(内部リーク)。 「外には漏れていないが、油圧が上がらない」「自然落下する」といった症状が出ます。

  • 対処法: ホーニング加工(内面研磨)で修正できる場合もありますが、摩耗が激しい場合はチューブの交換が必要です。

3. ロッドの曲がり

過負荷や横方向からの荷重により、ロッド自体が目視できないレベルで僅かに曲がっている場合があります。これでは偏摩耗が起き、すぐに漏れが発生します。

【判断基準】修理(OH)か?新品交換か?

トラブルが起きた際、修理(オーバーホール・部品製作)をするか、ユニットごと新品交換をするか。プロが推奨する判断基準は以下の通りです。

A. 新品交換をおすすめするケース

  1. 汎用的な標準品(JIS規格品など)である場合

    • メーカーのカタログに載っている標準的なシリンダー(タイロッド式など)は、量産効果で新品価格が安価です。修理の手間賃(分解工賃)を考えると、買ったほうが安い場合が多いです。

  2. 修理見積額が、新品価格の60〜70%を超える場合

    • 修理しても金属疲労は残ります。価格差が小さいなら、新品にして保証を得る方が得策です。

  3. 全体的に腐食が激しい場合

    • 食品工場や化学工場などで、本体のサビが激しい場合は交換一択です。

B. 修理・オーバーホールをおすすめするケース

  1. 大型・特注シリンダーの場合

    • 大型のシリンダーは新品価格が数百万円することもあります。この場合、数十万円かけてロッドの再メッキやパッキン交換を行う方が、圧倒的にコストメリットがあります。

  2. メーカーが廃業している・部品供給停止品の場合

    • 「30年前の機械で、シリンダーメーカーがもうない」という場合、新品は手に入りません。現物を分解・採寸し、パッキンや部品を特定して修理する必要があります。

  3. 納期を急ぐ場合(ケースバイケース)

    • 特注シリンダーの新品製作には2〜3ヶ月かかることがありますが、パッキン交換や軽微な修理なら1〜2週間で復旧できる場合があります。

 

油圧機器の修理・メンテナンスはお任せください!

当社では、油圧機器の修理・メンテナンスを行っております。こんなことはできないか?といったお問合せにも対応いたしますので、お気軽にご相談ください!

>>お問い合わせはこちら

関連記事

2023/07/07

コンプレッサーの熱対策や点検項目を解説します!

コンプレッサーは熱に弱い、ということを聞いたことはあるでしょうか。 実は、コンプレッサーの故障は暑い季節に多く、しっかりと熱対策を行う必要があるのです。 そこで今回は、コンプレッサーの熱対...

詳しく見る »

2022/12/05

コンプレッサーを導入する方へ!正しい使い方を紹介!

「コンプレッサーを導入予定だがどう使うのかがいまいちわからない」 こうした悩みをお持ちの方はいらっしゃるでしょうか。 使い方というのは初歩的な内容なので、他の方に聞くのが恥ずかしいという方もいるか...

詳しく見る »

2021/11/25

塗床工事を検討中の方へメリットを紹介します

「塗床工事をしようと考えているけれど、具体的にどういったメリットがあるのか知りたい」 このようにお考えの方は多くいらっしゃるでしょう。 塗床工事は簡単に済ませられる工事ではないので、内容やメリット...

詳しく見る »