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ホイストには様々な種類が!クレーンとの違いやメンテナンス点検についても解説

2024年5月20日

ホイストは、工場や倉庫で日常的に使用される重要な機械装置です。
多くの技術者や管理者の方が、ホイストの基本的な構造と効率的なメンテナンス手法を理解することで、作業の安全性と効率を大幅に向上させられます。

本記事では、ホイストの種類と基本的な用途について解説し、その後、クレーンとの違いやメンテナンス方法に焦点を当てていきます。

□ホイストの基礎知識とさまざまな種類

ホイストは、重量物を効率良く持ち上げるために使用される機械装置です。
これはロープやチェーンが巻き付けられたドラム、あるいはリフトホイールを用いて荷物を上下に移動させられます。
そのため、物流倉庫や工場などの現場で非常に重宝されており、労力を大幅に削減し、作業の効率化を実現しています。
ホイストには電動横行電気ホイスト、エアホイスト、電池式ポータブルホイスト、レバーホイストなど、さまざまな種類があり、それぞれ特定の用途に最適化されています。

1:電動横行電気ホイスト

電動横行電気ホイストは、電力を利用してモーターを駆動し、荷物の持ち上げや下ろしはもちろんのこと、横方向への移動も可能にする装置です。
このタイプのホイストは特に工場や倉庫での使用に適しており、大型の荷物を効率的に取り扱えます。
荷物の運搬をスムーズかつ迅速に行えるため、作業の生産性を高める重要な役割を果たします。

2:エアホイスト

エアホイストは圧縮空気を動力源として使用し、これが火花を発生させないため、化学薬品や爆発性ガスが存在する危険な環境でも安全に作業が行える大きな利点があります。
また、エアホイストは非常に軽量で取り扱いやすく、爆発のリスクがある場所でも使用できるため、特に危険物取り扱いの多い工場や倉庫で好まれています。

3:電池式ポータブルホイスト

電池式ポータブルホイストは、その名の通り、電池をエネルギー源として使い、持ち運びが可能なため、電源のない現場でも活用できます。
このタイプは小型で軽量ながらも、優れた操作性と安定したパフォーマンスを提供し、建築現場や土木工事現場など、さまざまな場所で重宝されています。

4:レバーホイスト

レバーホイストは、手動でレバーやハンドルを操作し、テコの原理を活用して荷物を持ち上げる装置です。
小型でコストも抑えられるため、簡易的な持ち上げ作業や、頻繁な移動が必要な状況での使用に適しています。
そのため、工具箱に一つ加えておくと非常に便利です。

□クレーンとホイストの違いとは?

クレーンとホイストは、どちらも重い荷物の吊り上げや移動を助ける機械装置ですが、その用途と構造には明確な違いがあります。
ホイストは基本的に重い物を垂直に持ち上げるために設計されていますが、クレーンはそれに加えて水平移動も可能です。
この機能により、クレーンはより複雑な移動を可能とし、作業の効率を向上させられます。

1:ホイストの特性

ホイストはその構造から、主に垂直方向への荷物の移動に特化しています。
このシンプルな機能は、小規模から中規模の作業場で特に有用です。
狭い空間での使用や、特定の高さへの定期的な物体の移動に最適であり、操作も比較的簡単です。
人力式ホイストの場合、設置と維持のコストが低く抑えられるため、限られた予算の中での選択肢としても適しています。

2:クレーンの特性

クレーンはその設計から多方向への荷物の移動を可能としており、大規模な工場や広い施設内での荷物の取り扱いが大幅に効率化されます。
また、クレーンの操作には特定の資格が必要とされることが多いです。
これは、クレーンの操作が高度な技術を要するためで、安全に関する厳格な基準が設けられています。
資格を持つオペレーターによる適切な操作は、作業の安全性を大きく向上させると共に、クレーンの性能を最大限に活かせるのです。

□ホイストのメンテナンスと定期検査

ホイストとクレーンの定期検査は、日々の安全な運用と効率を確保するために非常に重要です。
ここでは、ホイストおよびクレーンの点検に必要な主要な情報について解説します。

1:年次定期自主検査

この検査は年に一度実施され、ホイストの各部分のチェックが行われます。
具体的には、構造部分や機械部分、電気部分に加えて、ワイヤーロープや吊り具、基礎部分などの点検が含まれます。
これらの検査を通じて、潜在的な問題を早期に発見し、大規模な障害を未然に防止することが目的です。
荷重試験を含む検査は、クレーンの安全規則に従い、定格荷重に相当する重さを吊り上げて動作検査を行います。

2:月次定期自主検査

毎月定期的に行われるこの検査では、ホイストの安全装置やブレーキ、クラッチの機能が中心にチェックされます。
ここでは、巻過防止装置や過負荷警報装置、配線や配電盤、集電装置なども詳細に検査され、安全な運用を確保します。
これにより、小さな異常も見逃すことなく、適切なメンテナンスを行い、重大な事故や故障を防ぎます。

3:作業開始前の点検

日々の作業を始める前には、ホイストとクレーンの総合的な点検が必要です。
特に、ブレーキやクラッチの機能をはじめ、ランウェイの状態やトロリが通るレールのチェックを行います。
これにより、毎日の操作が安全に行われることを保証し、作業効率の向上にも寄与します。

4:災害発生後の点検

自然災害の後、特に地震や強風があった場合、ホイストやクレーンの安全確認が極めて重要です。
震度4以上の地震や、瞬間風速が秒速30メートルを超える強風の後には、損傷の有無を徹底的に点検し、必要に応じて迅速に修理を行います。
これは、災害による潜在的なリスクを排除し、安全に作業を再開できるようにするためです。

以上の定期検査と点検は、ホイストとクレーンの長期的な安全性と機能性を維持するために不可欠です。
各検査を厳格に実施することで、作業場の安全を最大限に保ち、事故や故障によるコストの増加を防ぎます。

□まとめ

この記事では、ホイストの基本知識とその種類、クレーンとの違い、そしてメンテナンスと定期検査の重要性について解説しました。
ホイストとクレーンは工場や倉庫での作業効率を高めるために欠かせない機器です。
定期的なメンテナンスと検査を通じて、これらの装置の安全と性能を維持することが、事故の予防と作業効率の向上に直結します。

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