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コンプレッサーの種類とそれぞれの特徴について解説

2025年5月2日

コンプレッサーとは

コンプレッサーは、空気やガスを圧縮して圧力を高める機械装置です。大気中の空気を取り込み、小さな体積に押し縮めることで、大きなエネルギーを生み出すことができます。この圧縮された空気は、様々な動力源として活用され、例えば土木工事で使用されたり、工場やレジャー施設など、私たちの産業や生活を支える役割を担っています。

>>コンプレッサーとは?

 

コンプレッサーの種類 

コンプレッサーは、その圧縮方式の違いによって、様々な種類があります。それぞれ、得意とする圧力範囲、吐出空気量、効率性、メンテナンス性、静音性などが異なります。ここでは、代表的な「スクリューコンプレッサー」「レシプロンコンプレッサー」「スクロールコンプレッサー」についてご紹介いたします。

 

スクリューコンプレッサー 

スクリューコンプレッサーは、らせん状の雄ねじと雌ねじローターが回転し、その隙間で空気を圧縮する方式です。工場など、比較的大容量の圧縮空気を必要とする用途で広く利用されています。

 

スクリューコンプレッサーの構造

スクリューコンプレッサーは、らせん状の一対のローター(雄ねじロータと雌ねじロータ)で構成され、ケーシング内で反対方向に回転します。吸入口から取り込まれた空気は、ローターの回転によってローターとケーシングの間に形成される空間に取り込まれ、回転が進むにつれてこの空間の容積が徐々に減少していきます。この容積の変化によって、空気を圧縮します。

 

スクリューコンプレッサーの原理

ローターの回転によって、空気は吸入口側から吐出口側へと移動しながら、ローターの溝とケーシング壁によって区切られた空間内で圧縮されます。給油式の場合、潤滑油はローターの隙間を埋めてシール効果を高め、同時に冷却と潤滑の役割を果たします。オイルフリー式では、ローター同士が直接接触しないように高度な精密加工技術が用いられています。

スクリューコンプレッサーには、一段圧縮と二段圧縮のタイプがあります。二段圧縮は、空気を二段階に分けて圧縮することで、より高い圧力と効率を実現します。また、可変容量制御機能を搭載した製品もあり、空気の使用量に応じてモーターの回転数を制御することで、省エネルギー運転が可能です。

 

スクリューコンプレッサーの特徴

①耐久性に優れる

耐久性に優れ、長時間の連続運転に最適です。複雑なバルブ機構を持たないため、機械的なトラブルが少なく、安定した運転が可能です。

②脈動の少なく安定して作動する

空気を均一に圧縮することができるため、精密制御が必要な場合に使用されます。

③幅広い圧力・吐出空気量に対応可能

小規模な設備から大規模なプラントまで、様々なニーズに対応できます。

④静音性の高さ

レシプロンコンプレッサーと比較すると一般的に静音性が高いです。これは、回転運動を主体とするため、レシプロンコンプレッサーのような往復運動による振動や騒音が発生しにくいことが理由として挙げられます。

 

レシプロコンプレッサー

レシプロコンプレッサーは、ピストンがシリンダー内を往復運動することで空気を圧縮する方式です。家庭用のエアツールから工場内設備や建設・土木工事用まで幅広い用途で使用されます。

 

レシプロコンプレッサーの構造

レシプロコンプレッサーは、シリンダー、ピストン、吸気・排気バルブなどで構成される、ピストン式のシンプルな構造となっています。吸気・排気バルブは逆止弁になっており、動作時以外は閉じているようになっています。

 

レシプロコンプレッサーの原理

ピストンが下降する(引く)際には、シリンダー内の容積が増加し、負圧が発生して吸気バルブが開きます。これにより、外部の空気がシリンダー内に吸い込まれます。次に、ピストンが上昇する(押す)と、シリンダー内の容積が減少し、吸気バルブが閉じると同時に空気が圧縮されます。圧縮された空気の圧力が一定値に達すると、排気バルブが開き、高圧の空気が外部へと吐き出されます。この一連のサイクルが連続して行われることで、圧縮空気が生成されます。

レシプロコンプレッサーには、一段圧縮型と多段圧縮型があります。一段圧縮型は、一つのシリンダー内で大気圧から最終的な圧力まで一気に圧縮する方式で、比較的低い圧力の用途に適しています。多段圧縮型は、複数のシリンダーを用いて段階的に空気を圧縮する方式で、より高い圧力を効率的に得ることができます。また、潤滑方式には、シリンダー内に潤滑油を供給する給油式と、潤滑油を使用しないオイルフリー式があります。オイルフリー式は、医療分野や食品加工など、油分の混入が厳禁な用途で使用されます。

 

レシプロコンプレッサーの特徴

①高圧力の空気を比較的容易に生成可能

ピストンの往復運動による容積変化が大きいため、高い圧縮比を得やすく、高圧を必要とする用途に適しています。

②間欠運転や断続的な使用に適している

比較的シンプルな構造のため、頻繁な起動・停止にも強く、一時的な使用にも適しています。

③小型・軽量で可搬性に優れた製品が多い

家庭用や小規模な作業現場など、設置場所が限られる場合や移動が必要な場合に便利です。

④構造が比較的シンプルでメンテナンスが容易

部品点数が少なく、日常的なメンテナンスや修理が比較的容易に行えます。

 

 

スクロールコンプレッサー

スクロールコンプレッサーは、固定と旋回する渦巻き状羽根で空気を圧縮する方式です。低騒音・低振動でオイルフリーの機種が多く、クリーンなエアを供給できます。パッケージエアコン、医療機器、分析機器など、静音性や清浄度が求められる比較的小〜中容量の用途に最適です。

 

スクロールコンプレッサーの構造

スクロールコンプレッサーは、固定された渦巻き状の「固定スクロール」と、その内側で偏心旋回する「旋回スクロール」の2つの主要部品で構成されています。吸入口から取り込まれた空気は、これら2つのスクロール羽根によって形成される複数の密閉された空間に取り込まれます。旋回スクロールが回転するにつれて、これらの空間は徐々に中心部へと移動しながら容積が小さくなり、空気が圧縮されていきます。最終的に、圧縮された空気は中心部の吐出口から排出されます。

 

スクロールコンプレッサーの原理

スクロールコンプレッサーは渦巻き状の回転盤によって、圧縮空気が生み出されます。旋回スクロール(旋回する渦巻き状の回転盤)が固定スクロール(固定された渦巻き状の回転盤)の内側を滑らかに旋回する際、2つのスクロール羽根によって囲まれた空間は、外側から内側へと移動するにつれて徐々に小さくなります。この容積の減少によって、吸い込まれた空気が連続的に圧縮される仕組みです。オイルフリー式が一般的であり、スクロール羽根の先端部や接触面には、摩耗を防ぎ、気密性を高めるための特殊なコーティングが施されることもあります。

スクロールコンプレッサーは、その静音性、クリーンエア供給能力、コンパクトさから、様々な分野で利用されています。例えば、静音性と精密性から、医療分野でクリーンなエア供給源として、スクロールコンプレッサーが使用されています。

 

スクロールコンプレッサーの特徴

①静音性と低振動性

旋回するスクロール羽根の動きがスムーズであるため、運転音が非常に静かで、振動もほとんどありません。静かな環境が求められるオフィスや病院、研究室などに最適です。

②クリーンな圧縮空気を供給することができる

潤滑油を使用しないオイルフリーの機種もあり、油分を含まない清浄なエアを供給できます。医療、食品、精密機械など、クリーンエアが不可欠な分野で広く利用されています。

③小〜中容量の用途に最適

パッケージエアコン、冷凍機、医療機器、分析機器など、小~中程度の空気量を必要とする用途に適しています。

④構造がコンパクトで軽量

部品点数が少なく、シンプルな構造のため、小型・軽量化が可能です。設置スペースが限られた場所にも設置しやすいというメリットがあります。

⑤メンテナンスが容易

構造が比較的単純なため、メンテナンスの手間やコストを抑えることができます。

 

>>その他コンプレッサーの種類についてはこちら

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はコンプレッサーの代表的な3種類について解説いたしました。南関東工場工事.comでは、コンプレッサーの選定から設置工事、納入後のメンテナンスまで対応しております。コンプレッサーに関して、お困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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