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クレーン・チェーンブロックの故障の前兆とは?

2025年11月19日

工場内の生産ラインを支えるクレーンやチェーンブロックは、重量物を吊り上げる重要な設備であり、その故障は生産停止や重大な人身事故に直結します。

特に、設備の老朽化が進む中で、突発的な故障を未然に防ぎ、計画的な修理や更新を行うことが不可欠です。

本記事では、日常点検や定期点検で「見逃してはならない」クレーン・チェーンブロックの故障の前兆について、解説します。

故障の前兆

異音・振動の発生

通常時とは異なる「音」や「振動」は、機械の内部で異常が起きていることを示す最も重要なサインです。

「キーキー」「ゴーゴー」といった高音の摩擦音が発生している場合、ブレーキライニングの摩耗、ブレーキドラムとの接触異常、または走行車輪のフランジとレールの接触が発生している可能性があります。

また 「ガタガタ」「ガラガラ」という異音は、ギヤボックス内のギヤ歯面の損傷(欠けや摩耗)、ベアリングの寿命がきている(玉や保持器の損傷)といった可能性がかあります。。特に、ベアリングが損傷すると回転のたびに不規則な音や振動が発生します。

そのほかに「ドスン」という衝撃音や大きな振動が発生している場合は、走行レール継ぎ目の段差、またはリミットスイッチなどの制御系の異常による急な起動・停止が発生している可能性があります。

ホイスト・チェーン・ワイヤーロープの異常

荷重を直接支える部分の異常は、破断事故に直結します。ここは、目視による日常点検の重要ポイントです。

チェーンに関しては、チェーンリンク(環)の一部に深い傷、切欠き、またはねじれがある。 また、赤錆が広範囲に発生し、金属の肉痩せがある。吊り下げ荷重がない状態で、新品時のリンク間ピッチと比較して規定値以上の伸びが確認される。こういった場合は、注意が必要です。

ワイヤーロープに関しては、素線切れが発生している、摩耗が進行している場合は、急激な強度低下、ワイヤーロープの破断に繋がります。

フックについても、口の開きが規定値以上に広がっている場合、吊り荷の脱落を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

>>ワイヤーロープに関してはこちら

 

オイル漏れ・グリースの劣化

油圧系や潤滑系の異常は、内部部品の焼付きや摩耗の進行を早めます。

ギヤボックスからのオイル漏れが発生している場合、オイルシールやパッキンの劣化、またはギヤボックス内の異常な発熱による内部圧力の上昇が発生していると考えられます。これにより、潤滑不良によるギヤの焼付き、部品の急速な摩耗を引き起こします。

また、グリースの劣化サインとして、グリースが乳化(白濁)している、または黒く変色し、異臭がするといったことが挙げられます。グリースが劣化すると、ベアリングの潤滑性能低下による早期寿命や焼付きを引き起こします。

電気・制御系の不具合

動作時に「カクカク」とした不安定な動きをしている場合、マグネットスイッチ(電磁接触器)の接点摩耗・溶着、または操作回路の接触不良が考えられます。こうした不安定な動きがあると、操作不能、緊急停止が効かない、意図しない再起動など、制御トラブルに繋がります。

また、リミットスイッチの誤作動が発生している場合は、リミットスイッチの設定ズレや動作不良が考えられます。そのままにしておくと、巻き過ぎによるワイヤーロープの破断、機械本体の衝突といった事態を引き起こします。

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クレーン・チェーンブロックの修理メンテナンスは当社にお任せください!

当社では、クレーン・チェーンブロックの新設・更新・定期点検サービスを展開しています。今回ご紹介した、故障の前兆がありましたら、お気軽に当社にご連絡ください。

特に南関東エリアであれば、専門スタッフが迅速に対応いたします。

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